「飼っていた鳥を逃がす」ということ
2006年11月のお知らせで、「鳥を逃がさないように」と呼びかけたところ一通のメールを頂きました。それには冒険に出てしまったインコちゃんが帰宅するまでの詳細な経緯が綴られていました。
投稿主さんは「どんな内容であっても結果的に、途方に暮れているであろう飼い主さんの手助けになれるのなら、と思います。」と言うことでメールを下さったのです。
「飼っていた鳥を逃がす」ということ。それは、ともすれば愛する家族と一生の生き別れになる事に直結しかねません。
なぜ起きてしまうのか。生き別れになる悲劇を少しでも防ぐために、微力ながら考えてみました。
「管理者」たる飼い主が心にとめておくべきこと
インコさんをはじめとするトリさんたちはみな本当に可愛いです。でも、ただ「可愛い、可愛い」と言っているだけで本当に良いのでしょうか?
私たち人間はトリさんを各国から“拉致”し、そのトリさんは日系○世(?)という形で世代交代をしながら増え、広がってきました。トリたちにも、もともとは原産国・故郷があります。
すなわち、日本に古来からいるトリではなく、“外来種”という認識を常に心にとめておくことも大切です。
人間も環境の一員です。
私たち飼い主達はただ「可愛い、可愛い」と言っているのではなく、トリたちや日本の環境を敬い、サイクルを狂わせるような原因を作らないという視点からも、トリさんが逃げ出さないよう適切な管理をする必要もあると思います。
可愛いトリたちが駆除される日
外来生物法が2005年6月に施行されました。
逃げ出したトリたちが本来存在しないはずの日本で増え続ければ、生態系を乱す原因と見なされ、駆除の対象としてリストアップされる日が来るかも知れません。結局トリたちが可哀想な思いをすることになってしまいます。
現にワカケホンセイインコなど、野生化して個体数が増加している種については、議論の俎上に載せるべきとの意見もすでに出ていると聞きます。
外来生物法を恨むのではなく、人間が故郷から拉致してきた事を常に心にとめ、逃げ出さない管理をすることが飼い主として最低限のマナーだと私は考えています。
何度も言いますが、人間も自然環境の一員です。
渡りをしない種類のトリたちが、既に日本の自然環境の中で増えてしまっている現状を認識し、生き別れにならないように飼い主さんがしっかりとトリたちを守ってあげましょう!